また、明日~天使の翼を持つキミへ~



「もうお腹いっぱいになった?」


グラウンドから校内へ移ったあたし達。


満足そうにお腹をさする親太郎を横目に見ながら言った。


「おー、もう腹いっぱい」


「ていうか、ちょっと食べすぎじゃない?
どうすんの? ライブ中にお腹痛くなったら」


「ハハっ。大丈夫だろ」


親太郎は頭の後ろで両手を組みながら言った。


「それに、食えるときに色んなもの食っときたいなって思ってさ」


「………」


「また病気がぶり返すことなんて考えたくもないけど、もしそうなったら、食えなくなるじゃん」


親太郎……


「本当は肉まんとか食いたかったけど、さすがにこれはコンビニ行かないとないしな」


親太郎はあたしを見下して困ったように笑った。



危ない……

涙が出そうになった。


あたしは親太郎から慌てて目を逸らし、『それにしても食べすぎ』と、親太郎の横っ腹を肘で突っついた。




< 203 / 366 >

この作品をシェア

pagetop