また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「よぉしっ!!!! おまえら、準備はいいか?」
体育館の舞台袖で待機する親太郎達。
あたしも、ギリギリまでここにいた。
「おうっ!! 今日はいつも以上に調子いいぜ」
拓海くんは大きく腕を振り回し、ギターを弾くマネをした。
舞台では親太郎達のひとつ前のグループが演劇をしていた。
舞台袖からそっと会場を覗いてみる。
超満員だ。
体育館に準備してある椅子は全て埋まっていて、体育館の入り口では立ち見の人達もいた。
“俺の夢は、超満員の会場でライブをすること”
すごいよ、親太郎。
親太郎の夢、叶うよ。
あともう少しで、あんなにたくさんの人達の前で歌えるんだよ。
あまりにも嬉しすぎて、まだ始まってもいないのに、あたしの涙腺は緩みつつあった。
「みんな、頑張ってね」