また、明日~天使の翼を持つキミへ~
親太郎達を振り返り、ひとりひとりの目を見ながら言った。
4人は同時に頷いた。
「やっとこの日が来たんだ。全力で歌ってやる」
そう言って、親太郎は優しく微笑んだ。
「菜緒、俺のここ触ってみろ」
親太郎が指差したのは、自分のお腹。
そっと手を当てる。
「うわっ!! めっちゃ固いっ!!」
「だろ? 今日の為に毎日腹筋頑張ったんだよ。声も、前みたいにちゃんと出るようになった」
うん。
知ってるよ。
親太郎が毎日毎日頑張っていたこと。
学校でも家でも、ずっと努力し続けてたこと。
「あそこに立てば、俺のひとつの夢が叶う」
親太郎は静かに舞台へ視線を移した。
「うん。 いよいよだね」
あたしも親太郎の視線を追った。
「あたし、一番前で見てるからね」
「ああ」