また、明日~天使の翼を持つキミへ~


その瞬間、舞台の照明が消え、会場は拍手に包まれた。


演劇を終えた生徒達が、舞台袖に戻ってくる。

ごった返す舞台袖。


あたしは親太郎達に手を振り、会場へ急いだ。



「さぁ、続きまして。2年生の4人組バンド。Aile D'angeの皆さんでーす!!」


アナウンスと同時に、会場のみんなが立ちあがった。


盛り上がりは最高潮。


急いで最前列に立とうと観客の方に目を向けた。


その時――。

端っこに片山さんの姿を見つけた。


思わず、目を丸めてしまった。


だって、舞台を見つめるその瞳がとても切なげだったから。


両手を胸の前で組み、眉間にシワを寄せている。


どういうこと?

もしかして、親太郎のライブを見に来たの?


わからない。

片山さんの気持ちが全然わからない。


だって矛盾しすぎじゃん。


一体、どうしたいのよ!!




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