また、明日~天使の翼を持つキミへ~


悔しい気持ちを抑え、俯きながら最前列を陣取った。


これが終わったら、すぐに片山さんを捕まえて話をつけよう。


どう思っているのか、はっきりさせてやる。



舞台の照明が明るくなった。


パッと照らされる親太郎達。


会場から見上げる親太郎は、いつもよりも大きく見えた。


「こんにちはっ!! Aile D'angeですっ!!」


親太郎がスタンドマイクを掴み、テンション高い声を出した。


それに答える会場。


「えー、ライブを始める前に、ひとついいですか?」


おーーーっ!!

大勢の声に、会場が揺れた。


親太郎の顔はとても真剣。


思わず見とれてしまう。



「俺達Aile D'angeは、結成して1年経ちました。去年は間に合わなくて文化祭に出ることができず、実は今日が初舞台です」


わーーーーーっ!!

また、会場が揺れた。




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