また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「あたしね、あの時聞いてたんだ」
「……え?」
「女子トイレで、片山さんが友達と親太郎のことを話してるの」
片山さんは唇を噛みしめた。
「あの時の片山さんの言葉、あたしすごくショックだった。親太郎のことを好きだって言ってる人の口から、あんな言葉が出てくるなんて……。それに、さっきの態度も」
「………」
「片山さんはさ、親太郎のどこを好きになったの?」
「……それは」
「親太郎はね想像できないかもしれないけど、すごく辛い治療に耐えてきたの。そりゃ、髪もなくなったし、前よりも痩せたし、片山さんが好きだったころの親太郎じゃなくなったかもしれないけど。けどっ、親太郎は毎日毎日病気と向き合って、恐怖と闘ってきたのっ!!それを……うつりそうだとか……怖いだとか……。それが、ショックで、許せなくて……。片山さんが憎くなった……」