また、明日~天使の翼を持つキミへ~
片山さんは、嗚咽をこぼし両手で顔を覆った。
「違うの……大好きなの……。でも、心のどこかで、怖いって思ってる自分がいたの。あんなに大好きだったのに、久しぶりに見た三浦くんにすごくドキドキしてたのに……。少し細くなった横顔を見てたら……そう、思ってしまってて……」
静かな廊下に、片山さんの泣き声が響く。
片山さんの言葉ひとつひとつが、真っ直ぐあたしに刺さった。
「そんな自分が、すごくイヤで……。自分でも信じられなかった。あんなことを口にして、自分を憎んだ……」
「………」
「さっき廊下で背中を向けてしまったのは、こんな醜い自分を三浦くんに見られたくなかったから……。こんなあたし、もう堂々と、好きって言えないから……」
片山さんは、肩を震わせた。
ちゃんと、親太郎を見ていてくれたんだ。
親太郎のことを思って、苦しんでくれていたんだ。
それを、あたしは……
片山さんの本心を聞いて、あたしの頬にも涙が伝った。
安心しての涙と。
片山さんの気持ちを思っての涙。
それから
片山さんの本心を知らず、憎んでしまった、自分の中の黒いモヤがすごく嫌だったから。
「本当に、ごめんなさい……」