また、明日~天使の翼を持つキミへ~
片山さんは、深く頭を下げると踵を返し静かな廊下に消えて行った。
ひとり残されたあたしは、小さな子供のようにワンワン泣いた。
制服の袖で涙を拭うけど、全然止まらなくて。
片山さんのことを酷いと思ってたけど、酷いのはあたしの方だった。
勝手にイライラして、勝手に追い込んだ。
“ごめん”はあたしの方。
親太郎を中心に考え過ぎて、見える世界が狭まってた。
片山さん、ごめん……
悔しいよ。
すごく悔しい……
「僕を飼ってくれるのは、あなたですか?」
突然、背後でロボットのような高い声が聞こえた。
泣き顔で振り返ると、目の前にはブタのぬいぐるみが。
さっきあたしが咄嗟に指差した、紫色のブタの抱きマクラだった。