また、明日~天使の翼を持つキミへ~
それを持っているのは、親太郎。
ニコっと笑い、ブタのぬいぐるみをコロコロと動かしていた。
「……親太郎」
もう手遅れだけど、泣き顔をあまり見られないように顔を伏せた。
「俺、ハンカチとか持ってないからな」
「……うん。知ってる」
あたしが言うと、親太郎はハハっと笑った。
「おまえの飼い主は泣き虫だからな、気をつけろ〜」
親太郎は、ブタの顔を自分に向かせ言った。
「そのうちおまえの顔は、菜緒の涙のシミで汚れるぞ〜」
「なによ、それ」
親太郎の腕を軽く叩くと、親太郎はそのブタをあたしの腕に持たせた。
「それやるから、もう泣くなって」
「………」
「昔からそうだけど、おまえはちょっと優しすぎなの」
「……別に、優しくなんかないよ」