また、明日~天使の翼を持つキミへ~
週末。
あたしは親太郎と中央駅のアミュプラザへ買い物に行く約束をした。
最近の親太郎は色んなところに行きたがる。
デートの回数が増えて、あたしはすごく嬉しいんだ。
約束の時間が迫り、でかける準備をしていると。
コンコン。
部屋のドアからノックの音がした。
誰……?
バッグに荷物を積めながら振り返ると、そこにはなぜか親太郎が立っていた。
「親太郎っ!? ちょ、なに勝手に入ってきてんのよっ!!」
驚きすぎて、脈が速くなった。
「だからノックしたじゃん」
何か問題でも? そう言いたげな親太郎。
「そ、それでも普通中からの返事を待つでしょ? もし着替え中とかだったらどうすんのよっ!!」
「それはないよ」
「どうしてよ」
「おまえは約束の時間ギリギリに着替えることはまずないから」
親太郎は勝手にあたしのベッドに座り、紫色のブタのぬいぐるみを膝に乗せた。
「ちょっと、気安く“太郎”に触らないで」
「はぁ? 太郎……?」
あたしは、親太郎の膝から太郎を奪い取った。