また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「そ。親太郎から名前をとって、“太郎”。可愛いでしょ?」
「太郎って……微妙」
親太郎は眉間にしわを寄せ、何やらズボンのポケットをまさぐり始めた。
「んじゃ、太郎と菜緒を記念に一枚」
カシャ――。
ポケットから出てきたものが何か脳が判断する前に、シャッターを押されてしまった。
デジカメの画面に映ったあたしの顔は、きっと口が半開きの間抜け顔だ。
「ちょっ、いきなりなによっ!!」
太郎をギュッと胸に抱く。
「だから、記念撮影だよ。おまえの将来の旦那とのツーショット」
「はぁ? 将来の旦那?」
「そ。将来の旦那」
親太郎はウシシと笑って、『おまえの将来の旦那は、太郎のようにまるまる太った人かもしんねーしな』と、またデジカメをあたしに向けた。