また、明日~天使の翼を持つキミへ~
力無く微笑む親太郎。
その微笑みを見た瞬間、とめどなく涙が溢れた。
「……おはよう。親太郎」
スルリ、と。
親太郎は自分の手を、あたしの手の中から抜き取った。
そのままあたしの目元に伸ばしてきて。
「泣くなよ…バーカ……」
優しく、涙を拭ってくれた。
「ば、バカとはなによっ!!! あたし、心配で……本当に、すごく、心配して……」
親太郎に言い返しながらも、次から次に涙が溢れてくる。
親太郎は、汗でまだ濡れているあたしの横髪に触れた。
「ありがと。走ってきてくれたんだな」
とても柔らかい笑顔。
「ち、違うよっ!!! これは汗じゃなくて、涙なんだからっ!!!」
なんだか、急に照れ臭くなって、咄嗟に可愛くないことを言ってしまったけど。
「へー。おまえの涙って、こめかみからも出るんだ」
すげーっ!!! 斬新っ!!!
なんて、親太郎はアハハと笑った。