また、明日~天使の翼を持つキミへ~
グッと、眉間にしわが寄る。
「はい、そうですけど?」
そう答えると、先生は『うーん』と不満そうな声を出した。
「じゃあ、質問を変えようか。田沢はどうして、音大に行きたいんだ?」
「どうして?」
「こんなにたくさんある大学の中から、音大を選んだのはどうしてだ? その理由を聞かせてくれないか」
先生は、一度用紙に落とした視線をゆっくり上げ、考え込むあたしを見据えた。
「どうして、って……」
それは――…
“夢”を叶えるために……
「ん? 答えられないのか? 面接で聞かれたらどうする。そうやって俯いて考えるのか?」