また、明日~天使の翼を持つキミへ~


「だから、親太郎と音大に行くんです。 どこかおかしい部分がありますか?」


早口でまくしたて、ギロリと先生を睨みつけた。


顔を真っ赤にして怒りで震えているのはあたしだけで。


先生は、涼しい顔をして用紙を見ていた。


そんな態度にでさえ、イライラする。


「ちょっと……聞いてるんですか? 質問してきたのは先生ですよ? 全然あたしの理由なんて聞いてないじゃないですかっ!!」


また声を荒げて言った。


でも先生は


「やっぱりな……」


と、冷静で。


やっぱりなって、なによっ!!


何か言いたいことがあるなら、遠まわしに言わないではっきり言ってよ!!


すごくイライラする!!


「三浦が音大を志望するから、田沢、おまえも音大に行きたいのか?」





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