また、明日~天使の翼を持つキミへ~


「同じ道へ進むのは、間違ってるってことですか?」


先ほどの勢いは、あたしの中から消えていた。


先生が言っていることは、あながち間違ってはいないから。


あたしは、ただ親太郎と離れたくないために、進路を同じにした。


それが、音大を選んだ一番の理由だから。


でも、親太郎と一緒にもっともっと音楽の勉強をしてAile D'angeをもっともっと成長させたいっていうのも、一番と負けないくらいの理由だから。


だから――…

あたしは……



「田沢の言っていることが間違ってるとは、先生は言ってないよ。進路の選択に、“間違った道”なんてものはないからね」


「………」


「ただ、今の感情だけを重視していると、遠回りになってしまうことも、ないとは言い切れない」


「どういう意味ですか?」


あたしが聞くと、先生は一呼吸おいてまた話し始めた。




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