また、明日~天使の翼を持つキミへ~
ナースステーションで親太郎の病室を確認する。
すぐ、そこだった。
ナースステーションから、病室は見えていたのに。
そこに行くまでの距離が、どれだけ長く感じたことか……
“三浦 親太郎”
ドアの横に張られた名前。
親太郎の他に、3人の名前が張られていた。
心臓が痛い……
この奥の親太郎は、今どんな状態なんだろう。
肉まんの入った袋をギュッと握ると、カサっと乾いた音がした。
「あれ? 菜緒?」
恐る恐る開けたドア。
視線を落としたあたしの耳に入ってきたのは、拍子抜けするほどいつも通りの親太郎の声だった。
「……へ?」
「おまえ、どうしたんだよ、こんなとこまで」
「……へ?」
「とりあえず、中入れ。そこにいると邪魔になるだろ」
親太郎に言われ、頭が真っ白な状態でドアを閉めた。