また、明日~天使の翼を持つキミへ~
同室の患者さんに頭を下げながら、親太郎の元へ。
「おー!! おまえ気が利くなぁ。肉まん、買ってきてくれたの?」
あたしの手にさがるコンビニの袋を指差して、ニコっと笑った。
「よくわかったね。これが肉まんだって」
「わかるよ。だって、めっちゃ肉まんの匂い漏れてんじゃん」
「そう?」
クンクンと、袋を鼻に近づけて匂ってみたけど、これだけでは肉まんだと特定は難しい。
親太郎の嗅覚は犬並だ。
「もうすぐメシらしいんだけどさ、もう腹減って死にそうだったんだよ。ナイスタイミング」
袋から肉まんを取り出す親太郎の目が、キラキラと輝いている。
からしとポン酢を付けて、パクっと頬張った。
「おばさんは?」
ベッドの横にあった椅子に腰かける。
「あー、今、先生の話を聞きに行ってるよ」
「そうなんだ。っていうか、どうして急に入院なんて事になったの? おばさんからメールがきてビックリしたよ」
親太郎の元気な姿を見て安心したあたしは、早速本題に入った。
「さぁ? 俺も正直わかんね」