また、明日~天使の翼を持つキミへ~
親太郎の袖口から、何やらあざのようなものが見えた。
すぐに親太郎の腕を掴み、長袖を肘くらいまで捲りあげた。
「どうしたの? このあざ」
あたしが聞くと、また親太郎は首を傾げた。
「朝起きたら、出来てたんだよ。きっとどこかでぶつけたんだろうけど、全く覚えてねぇんだよな」
はははっ。
親太郎が笑った瞬間、右頬にえくぼができた。
「もう、気をつけなさいよ。ただでさえ親太郎はそそっかしいんだから」
「おまえほどじゃないだろ」
イタズラな笑みを浮かべながら、親太郎は言った。
廊下から聞こえてきた、何かの車輪の音。
カラカラと軽い音で、それは廊下の途中でピタリと止まった。