また、明日~天使の翼を持つキミへ~
『それから、母さん。いつも、俺を遅刻しないように起こしてくれてありがとう。俺がなにを言っても反対せず、いつも背中を押してくれてたよな。それなのに、たまに『うるせー』とか『うざい』とか、酷いこと言ってごめん。俺、男なのにさ、なんか母さんを困らせることばっかやってた気がするんだ。甘えてたんだと思う。俺には帰る家があって、飯があって、優しく見守ってくれてる親がいたから自由に好き勝手できてたのにさ。母さん、大人まで生きることができなくて、ごめん。これから俺が必死に働いて、父さんと母さんの面倒を見ていかないといけないのに、それができなくて、本当にごめん。どこまでも、親不幸な息子でごめん。でもな、俺、父さんと母さんのとこに生まれてきてよかったって。すげー、そう思う。すげー幸せだったから。今まで、育ててくれて、本当にありがとう』
親太郎の両親は、声をあげて泣いていた。
おじさんが涙を流す姿を見たのは、今日が初めてだった。
『えーと、高橋。俺にとって、高橋は兄貴でした。頭もよくて、顔もよくて、ドラムもうまくて。一応俺がリーダーだったけど、絶対高橋の方がリーダーに向いてたと思う。これからは、高橋が中心になってAile D'angeを引っ張っていってください。
拓海っ。
拓海は、俺の目標でした。急にこんなこと言われてビビってるだろ。でも、本当の話。拓海を見てるとさ、何でもうまくいきそうな気がしてくるんだ。拓海自身いつも怖いもの知らずって感じで突き進んでただろ?その背中がすげーカッコよくてさ。どこまでもついて行きたくなってたんだ。これからも、そのすげーチャレンジ精神でさ、みんなに勇気を与えてください。
そして、叶。
叶は、俺の憧れでした。叶の作る曲、俺どれもすげー好きだった。菜緒から新曲の楽譜を預かる度にさ、めっちゃワクワクしてたんだ。
歌詞もすげーと思う。俺にその才能を分けてほしいくらいだった。叶なら、もっともっといい曲を作れるはずだから、これからAile D'angeのヒット曲を次々に作っていってください。有名になったおまえらを、俺はずっと見てるからな。今まで、本当にありがとう』