また、明日~天使の翼を持つキミへ~
高橋くん達も、親太郎のメッセージに声をあげて泣いていた。
スクリーンに映る親太郎は、今度はとても恥ずかしそうに顔を手で覆っていた。
全然ずれてもいないニット帽を何度も触っていて、落ち着きがなかった。
しばらく言葉を探して首を傾げていたけど、意を決したように、カメラ目線になった。
『あー……あー、えーと……最後に、菜緒。菜緒とは、18年の付き合いだったな。何て言うか、まぁ…今思えば、大きなケンカなんてしたことなかったし、まぁ、したとしても、ずっと…俺の隣にいてくれたよな。すごく感謝してる。
こんなどうしようもない俺の傍にいてくれた事。ごめん……あんまうまく言えんけど……。菜緒には、“ありがとう”だけじゃ全然たりない……。
菜緒の好きなえくぼも……もう出せんし……。ごめんな……おまえ、華奢な男、嫌いって言ってたもんな……ごめんな……傍におれんくなって……
マジで、ごめん……おまえがくれた手紙……あっちに持っていくからな。写真も、ミサンガも、ネックレスも……全部、持っていくから。菜緒……これだけじゃ足りんけど、最後に言わせて……
18年間……輝く時間を……ありがとう……菜緒……俺、おまえのこと、めっちゃ好きだったよ』