また、明日~天使の翼を持つキミへ~
……親太郎。
「親太郎ーーっ!!」
あたしは、棺の中で眠る親太郎に泣きついた。
「あたしだって、大好きだったよ!!すごくすごく好きだった!! 毎日親太郎の傍にいられてすごく幸せだった!!あたしの方こそ、ありがとう。最後に、あたしの大好きなえくぼ見せてくれてありがとう。輝く時間を、ありがとう!!」
親太郎の周りに、みんなが集まってきた。
みんなで大きな声をあげて涙を流した。
最後の最後まで、親太郎から離れなかった。
一瞬、写真の中の親太郎が涙を流したような気がした。
でも、次に見たときには、満面の笑顔だった。
あたしの大好きな右頬のえくぼを作って、子供みたいに笑ってた。
あたしの一番のお気に入りの写真。
あの写真のように、あたしの中の親太郎はいつまでも笑ってた。
悲しい顔の記憶なんて、一切ない。
“菜緒っ!! 夢はでっかく。 目標は高く。がモットーだぞ!!”
って、笑ってた。
いつまでも、いつまでも。
それは色あせることなく、あたし達の心の中で光り続けるだろう。
親太郎は、別れの時、一度も『バイバイ』と言ったことはなかった。
いつも『またな』って。
『また明日』って、笑ってた。
だから、あたしも『バイバイ』なんて言わない。
親太郎、おやすみなさい。
またね。
また、いつか会おうね――…
―Chapter 9―