また、明日~天使の翼を持つキミへ~


玄関を出ると、あたしの両親はもうすでに待機していた。


5人で、学校までの道のりを歩いた。


でも、確かに、あたしの隣には親太郎がいた。


今日は、ブレザーのボタンをきちんと全部止めてるの。


そして意地悪な顔して、こう言うんだ。


『よかったな。卒業できて』


その言葉にイラっときたあたしは、親太郎の頭を一発叩く。


絶対、こうなってたと思う。


親太郎のことは、全部お見通し。


親太郎。

いい天気だね。

今日で、この制服着るのも最後だよ。


ちょっとは大人になったかな。


少しは、成長してるよね――。


あたしはポケットから携帯を取り出し、電話をかけた。


相手はもちろん――。



“もっしもーし!!親太郎でっす。せっかく電話もらったけど、今わっぜ忙しくて電話に出られませーん。用のある人はメッセージを残して下さーい。気が向いたらかけ直しまーす”


うん。

気が向いたらでいいよ。



「おーい。親太郎ーー。今日も桜島、絶好調だよー」



気が向いたら、かけ直してね。





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