また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「菜緒ちゃん。来てくれたんだ」
ズズズっと、鼻をすする。
「はい。おばさんからメールをもらってすぐ……」
「そう……わざわざ、ありがとう。親太郎、何してた?」
「今、夕飯がきたところですよ。“うげー、魚かよぉ”って、顔をしかめてました」
親太郎の顔マネをしたら、クスっとおばさんが笑った。
「あの子、昔っから魚が苦手だからね」
そう言って、また、表情を曇らせる。
「あの……何か、あったんですか?」
「……え?」
「いや、なんか、元気なさそうだから。それに…瞳が……」
傾きかけた夕日。
薄暗い廊下が、所々オレンジに染まっている。
だから余計、おばさんの表情が暗く見えたんだ。