また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「あら、菜緒ちゃん」
入り口から聞こえた声。
振り返ると、大きな荷物を持ったおばさんが立っていた。
あたしに向けられた目が、今度は親太郎に向く。
その瞬間。
「親太郎っ!?」
おばさんの表情が一気に変わり、大きな荷物を入り口に落とし駆け寄ってきた。
「親太郎ッ!! どこか痛むの!?」
大慌てで親太郎の身体を触り、異常を確かめる。
親太郎は、袋に顔を入れたまま力なく首を振った。
おばさんはすぐにナースコールを鳴らし、看護師を呼んだ。
ああ……
そうか。
早くナースコールを鳴らすべきだったんだ……
あたしは、慌ただしく走る看護師達の姿を、ただ呆然と見ていた。