また、明日~天使の翼を持つキミへ~
しばらくして、病室に静けさが戻った。
親太郎の様子も落ち着き、ベッドで大人しく横になっている。
太陽が傾きかけ、病室の窓は緑のカーテンで覆われた。
窓を閉めていても、目の前の陸橋を走る車の音が聞こえてきた。
「なぁ、母さん」
親太郎の力のない声。
おばさんは、椅子から体を浮かせ、横になる親太郎の顔を覗きこんだ。
「検査結果、出たんだろ?」
親太郎の目は、真っすぐおばさんに向いていた。
でも、おばさんの目は、宙を泳いでいる。
「隠さなくていいよ。何か異常があったんなら、正直に言ってよ。じゃなきゃ、俺、暴れちゃうよ?」