また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「ヤだね」
「ヤだねって……」
「だって、おまえがボーっとしてるときに、不意打ちつけるんだぞ。しかも、間抜けな面拝めるし。こんなに面白いことってないだろ?」
そう言って、親太郎はウシシと笑った。
あたしの大好きな、右頬のえくぼを作りながら。
「それに、そうやってストロー噛むのやめなさいって、何度も言ってるでしょ?」
あたしがため息混じりに言うと、親太郎の眉毛がピクリと動いた。
「癖なんだから仕方ないだろ? こうしてないと落ち着かないんだよ」
親太郎の言葉に、はぁーっと、もう一度大きなため息。
頭を抱えながら首を振り、またフェンスの向こう側を眺めた。
暖かい風が心地いい。
市街地を一望できる屋上。
あたしの一番好きな場所だ。
だって……。