また、明日~天使の翼を持つキミへ~
今思えば、親太郎はいつだって強かった。
内心恐怖で震えているはずなのに、決してそんな様子は見せなかった。
小さい頃から、親太郎は余裕ぶる性格。
でもあたしには、親太郎が我慢していることぐらい、お見通し。
生まれた時から一緒にいるんだ。
親太郎が真剣な表情をしたときほど、不安がってる事はない。
親太郎の歩幅は大きかった。
しっかり地面に足を付け歩いていた。
診察室までの短い距離だけれど、あたしはこの時、親太郎が自分の足で歩く後ろ姿を、なぜか目に焼き付けたんだ。
胸の中に残るように。
瞳に刻み込んだ。