また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「おー‼ 今日も桜島がキレイに見えるなぁ」
そう。
ここからは、鹿児島のシンボルである山、桜島が正面に見えるんだ。
学校から海を挟んだ向こう側に、山のてっぺんから少しだけ灰の雲をモクモクと出しながら立派に立っている。
親太郎は額に手を当て、日差しを遮りながらフェンスに張り付いた。
「菜緒は、よくここから桜島見てるよな」
「だって、何だか落ち着くんだもん」
「まぁなぁ、確かに。これで灰が降らなければ最高なのにな」
「それ言えてる」
ふたりで顔を見合わせ笑い合った。
その瞬間。
ドォーン。 と、鈍い音が。
笑い合った顔が、一気に引き攣りに変わる。