また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「親太郎はいっつも余計なことばかり覚えてるんだから。少しはまともな事を覚えときなさいよ」
「まともな事って言ってもなぁ。おまえとの記憶はまともなのが1個もないからなぁ」
またコイツは……ケンカ売ってんのか!!
「ははっ。ほんっと、まともなの1個もねぇや」
はははっ。
悪びれる様子もなく、ケラケラ笑いだす親太郎。
ムッとしたけれど、表情が明るくて少し安心した。
あたしは、スクールバックの横ポケットからミサンガを取り出し、親太郎の布団の上に置いた。
「お、なんだこれ」
右手でミサンガを取った親太郎。
かざすように高々と上げ、あたしを見てニッと笑った。