また、明日~天使の翼を持つキミへ~
点滴を始めて4日目。
親太郎から笑顔が消えた。
毎日毎日、点滴の副作用に顔を歪め、袋の中に顔を入れていた。
吐き気で、話す気力すらないのだろう。
お見舞いに行っても、殆ど背中を向けて寝ている。
ずっと付き添っているおばさんは、親太郎にバレないように涙を浮かべ、トイレに行くふりをして何回か病室を出て行った。
親太郎のうなる声。
あたしはただ、背中をさするだけ。
『大丈夫?』なんて、そんな安い言葉はかけられなかった。
無力な自分。
何の知識もない自分に腹が立った。
あたしは、苦しんでいる親太郎の傍にいながら、背中をさすることしかできないなんて……
もっと何か。
親太郎が楽になる方法はないのだろうか……