狂った愛情
私はベッドに落ちた携帯を拾い、下へ降りた。
早く来ないかとそわそわし始める。
亮平君……
早く……
着替えなんてすることをすっかり忘れ、
ただあちこち歩き回っていた。
5分後。
携帯が再び鳴った。
相手は亮平君。
『今、章汰が亜実ん家に向かってるところをチャリで抜かした。
急いで玄関開けて!!』
きっと、自転車をどこかに置いて走っているところなのか、亮平君は息を切らしながら話している。
彼の言うとおりに玄関を開けて、外をそっと覗くと亮平君が携帯をバッグにしまいながら私のもとへ走ってきた。
「亮平くんッ」
「亜実!」
亮平君が私の家の玄関に入った瞬間、章汰が走ってきた。
「亜実ッ!!待ってくれ!」
「いやぁぁぁッッ」
私は亮平君が家に入った直後にバタンとドアをしめ、二重ロックをした。
ベランダに走り、カギを閉め、カーテンをシャッとしめた。