狂った愛情
もう逆ギレ状態だった。

「は?!だったら俺の気持ちも理解しろよ!!!」

章汰も怒鳴った。

けど、

……。
……言い返せなかった。

確かに、章汰の気持ちを考えていなかった。
ただ、自分は「彼氏に束縛されて苦しんでる被害者」としか考えていなかった。
涙がぶわっと流れる。

「俺はな、お前だけを愛したい。だから他の男と関係を持ってほしくなかった。きっとそれは間違ってるけど、やっぱりお前だけに愛されたい……って思ってたのに……」

涙声になる章汰。
涙が止まらないよ。

「お前は俺をうっとうしがって避ける。それは悲しくって悔しかった。けど、やっぱり亜実、お前しかいなかった」

こんなに愛してくれている元彼氏・章汰。

「だからお前だけを必死に愛した。けれど、お前は好きな奴ができていた。しかも、俺の友達の亮平……すぐに悟れたよ。お前は態度にでちゃうからね……」

ははは、と無理に笑う章汰。
その声は震えていた。

「亮平に聞いたんだ。」
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