狂った愛情

「あの……亜実は今……7組に……友達と……」

友達は私の逃げるクラスの逆の方を教えた。
怖いのを必死に抑えて言ってくれる友達に必死で祈った。
どうか、信じて……

「お前……」

章汰は眉間にしわを寄せる。
ギクッとする友達。

「亜実の親友だよな?だったら……」

かばっている、と言いたいのか?
バレたのには変わらない。

キョロキョロする章汰と目が合ってしまったのは……
クラスイチの根暗な女子。
一回話しただけだからどうだろう。
お願い……!!

「ねぇ、亜実はどこ?」

優しく聞く章汰。
おびえる彼女。
ゆっくりと指をさす。

「な……な組……さっき教室に……」

「そうか」

そう言いながらニヤッと笑う。
教室を出て七組への廊下をゆっくり歩いていった。

彼女にお礼を……
すぐに彼女に駆け寄る。

「ありがとう……」

「ううん……亜実ちゃんはいつもこんな私でも優しいから……お礼」

照れながら微笑む彼女。
そんな彼女が天使に見えた。

「ありがとう!」

涙が出そうになった。
そのとき、亮平君が教室に入ってきた。

「亜実……大丈夫か?さっきアイツがヤバかったから亜実に……」

友達は亮平君に状況を説明した。

「……そうか。じゃぁ俺も一緒に!」

「でも、迷惑かけれないよ……」

「迷惑じゃないよ。さ」

私の手を取り、ベランダへ。

「とりあえず……他学年のクラスに逃げよう」

「うんッ」

恐怖の時だけど緊張とドキドキの時でもあった。
突然亮平君が私を見る。

「亜実?ちゃんと俺についてろよ?守るから」

「ありがとう…亮平君」

カッコイイ亮平君のカッコイイ言葉にずっとドキドキしていた。

「あ、と!“君”付けいらねーから?」

呼び捨てOKってこと?!
ううう、嬉しい……

「亮平……私……」

想い伝えなきゃ……
でも今じゃなくてもいいかな……
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