狂った愛情
「ううん。まず俺からでいい?」
「? うん」
何を言うのかな。
「俺さ、亜実が好き……」
真っ赤になる亮平。
つられて真っ赤になる私。
まさかの両思い……?!
「私もだよ?」
この幸せの瞬間……
を、悪魔は見逃すわけが無かった。
「亜実ー……」
悪魔の声が聞こえた。
振り返る私達。
さっきの傷がない。
手には何も持っていない。
「亜実、俺やりすぎた。やりなおそう?」
悲しげに言う章汰。
うっすらと怪しい笑みをうかべて。
恐怖で動けなかった。
「亜実……なぁ亜実……?」
近付いてくる悪魔。
亮平は……
あざだらけになって廊下に倒れていた。
「亮平ッ……どうしたの?!」
動けない私に亮平が口を開く。
「逃げ……ッ亜実……」
けれど動けない。
希望が消えてしまいそうになる。
悪魔は目の前。
殺される。
いつのまにか手にはスタンガン。
血だらけの章汰に戻っていた。
体にスタンガンが勢いよく当てられた。
「キャァァァァ……」
衝撃が走り、
視界がおかしくなった。