初恋天使

 私は彼の顔をまじまじと見つめていた。
 
 
 その行動にしびれをきかせた彼は、



「あのー…、顔に何かついてますか?」

 

 あっ、何やってるんだろう…。人の顔ガン見するなんて…。


 
「すいません!!なんでもありゃましぇん!!」

 
 
 あぁ~!大事なとこで噛んじゃったー!もう終わったー!世界の終わりだー!
 


 でも彼はそんなことを気にせず、微笑んだ。



「僕はもう行きますね? でわ…」



 ニコっ。

 
 またあの笑顔…。


 何度見ても癒される…。
 
 


「あっ、はい。ありがとうございました」


 
 
 …って、そうじゃない!

 こういうときは名前を聞かなきゃ。



「あ、あのー!!…な、名前を、教えてくれませんか?」


「名前? …遠山隼人。…じゃあ」


 彼は名前を言ってすぐに人混みの中へ消えていった。


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