~コトノハ~
暗闇から現れた人物はピエロだった。一見こちらを笑顔で見ているように見えたが違う、よく見ると口の端は上がっているが目は笑っていない。その顔に言いようのない不安を感じて思わず後ずさる。


『神田真名魅(かんだまなみ)様、それではルールの説明をします』


そんな私を無視するように話し始めるピエロ。っていうか今私の名前を言った?

「あの、なんで私の名前を?それにルールって何んですか?そもそもここはどこなんですか?」


『先ほど貴女は当選しましたとお伝えしたはずですよ、真名魅様。ルールとは今から貴女が参加するゲームのルールです』


答えてくれているようで答えてくれてない。とりあえず答えてくれたことを一個ずつ片づけていこう。


「当選しましたって言ってますけど、そんなの応募した覚えないんですけど」


『ええ、そうでしょうね。こちらで勝手に選ばせていただきましたから』


好き勝手なことを淡々と語るピエロ。駄目だ、わけのわからない状況でわけのわからない人物だからなるべく穏便に行こうと思ってたけどだんだん腹が立ってきた。


「勝手にって、貴方何なんですか!?ちゃんと質問に答えてください!!」


『私は貴女達風に言えば神の使いですよ』


駄目だ、これは多分夢で、私は本格的に頭がおかしいらしい。とりあえずさっさと夢から覚めたい


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