望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
と言った。

彼女の目は涙で一杯になっていた。


「ごめんな!ごめんな!政子!!
そして、望美!!ごめんな!」

政子の腹にしがみつき、泣きながら詫びている義昭。














すると突然、
「ママ………。
ママ…………。」



「えっ!?」
驚く政子と義昭。



「ママ………。
ママ………。」



「えっ!?何処から……?」

何処からともなく、政子を呼ぶ声が聞こえるのだ。


「ママ………。
ママ………。」



「キャア!!」
「……何なんだよ!!」
訳が判らず、恐怖を感じる二人。



そしてその声は次第に大きくなっていき……。

「ママ…………産ンデヨ。ママ…………産ンデヨ。」

と聞こえてくる。


義昭は信じられないような顔をしながら、
「ま、まさかっ…。
政子の腹の中から……!!」
と言い、ブルブル震えている。



政子も同じことを感じ、
「た、確かに…、お腹の中からだわ…。ま、まさか望美がっ!!」と怯えている。



「ママ……。
産ミナサイヨ……。
約束デショ……。
産ミナサイヨ……。」


声はどんどん大きく、地響きの様に低くくなっていく……。
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