望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~

その日以来、鶴子の様子が日に日におかしくなっていった。



まず、普通の会話が出来なくなりいつ何時、何処ででも
「ウギャ、ウギャ、ウギャ」
と悶えるように唸り、突然「ギャアア!!」と雄叫びをあげるようになったのだ。



リビング


この日も周りの事などまったく気にしていない様子で暴れる鶴子。

「ウギャウギャ、ウギャウギャウギャ!!ウギャウギャ、ウギャウギャ!!」
何かに怯えているように悶えている。


目をガッと見開いて、ギョロギョロギョロと眼球を動かしている。


絶えずそんな鶴子を見ている美華は、気味の悪さからリビングで紅茶を飲む事すらできないようで、
「どうしたっていうのかしら!!
お母様ったら完全に精神が逝ってしまわれたのね!!」
とお手上げ状態である。


そしてそんな鶴子に耐えかねた美華はとうとう鶴子を一室に閉じ込めさせて、お手伝いに毎食、食事を運ばせるようにさせたのであった。
< 117 / 167 >

この作品をシェア

pagetop