望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
プラスチックの包丁でお腹を刺すように刃先をあてられた政子は怖くなってくる。


「まだまだ具をたくさん入れてあげなくちゃね~!」
と言い気味悪くも望美はママゴトを続ける。

(ギョ!)


望美がお菓子の缶の中からとりだした材料にギョッとする政子。


なんとそこにはリアルに再現された15cm大位の政子の人形、義昭の人形、そして鶴子、美華、義郎の家族全員の人形がでてきたのだ!

「あ、あ……。」
あまりに精巧に造られているその人形を前に政子は声も出ない。

皮膚の肉感や色、髪型、着ている服。
生身の家族達を小さくしたようにしか見えないリアルさである。


「あ。あ…。」


「フフフ……。」
と望美は笑いながら、
「おばあちゃんを切って~♪」
と言い、鶴子の人形を取り出し、「ズバッ」と包丁でオモチャのニンジンのように切りつけ、スパスパ切り始めたのである!


「ブシューーッ!!」と鶴子の人形からは血が噴きだした。


「ギャアアアァァーー!!」

おぞましい光景に目を覆う政子。


「グシュ!!グシュ!!スパッ!!スパッ!!」


望美は鶴子の人形を胴体がバラバラになるようにしっかりと解体していく…。
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