望美 ～ママ、離れないわよ。私は絶対に！～

「おやおや、どおしたんだい？」
と鶴子はその人形を抱きかかえ、背中に乗せ、おんぶした。


すると、あろう事か他の大量の赤子人形たちも一斉にピク、ピクッと動き始めたのである！！



「ギャアアア！！！」
見てはいけないものを見てしまったような感覚に陥る政子。

これが、怪奇現象というものなのだろうか。
ハイハイ

ハイハイ


「あ、あ…！！」
政子は声も出ない。


ピョンッ！！

ピョンッ！！

ピョンッ！！


一斉に動き始めた人形たちは鶴子の元へとハイハイするように這っていき、皆、鶴子におんぶされようと背中に飛び乗り始めたのだ！


そしてどんどん鶴子の背中へ飛び乗って鶴子が完全に赤子たちで埋まってしまう状態になってしまう…。



「おやおや、みんな元気が良いね～。あらあらみんなをおんぶするのは無理だよ。あ、重たいよみんな……、降りて頂戴な。重たいよ。重い。重い。重いわよ！！降りなさい！！ギャア！！重い、ギャアギャアギャアアアアアアアアァァァァァァーーーー！！！」

大量の赤子人形たちに背中に乗っかられ悶え苦しみだす鶴子！！



「お、お母様！いや…！！いやぁぁぁぁぁーーーー！！！！」