望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
その人たちがイケイケドンドンになっちまったものだから調子に乗って騒ぎたてているのよ!!!
名誉にも明暗があるってことね……。」
と淡々と言う。



そんな美華を尻目に横ではやはり狂ったようにケラケラ笑っている鶴子がいた。


美華はもう耐えられなくなって、
「お母様!!お父様が御亡くなりになすったんですよ!!なのになんでそんなにヘラヘラしてらっしゃるのよ!!」
と怒鳴り散らした。

そんな姿を政子と義昭は心配気に見つめている。


美華の言葉など気にならない様子の鶴子は赤子人形で遊び始めた。

美華はもう怒りを撒き散らして、
「このイカレババァ!!
アンタなんかとっとと死ねばいいんだわ!!!」
と鶴子を蹴り飛ばした。


「ギャ!」
と床に倒れこむ鶴子。


「やめろ!」
「やめてください!」
と必死で止めに入った義昭と政子。


すると美華はギョロっとした目で政子の方を見ると、
「みんな望美って女がやったんだろ?
アンタが堕胎した子の水子の霊がやったんだろ!!」
と激しく責め始めた。

突然の美華の発言に政子は、
「え!?」
と驚いてしまった。


美華は政子を睨み付けると、
< 138 / 167 >

この作品をシェア

pagetop