望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
望美はゲラゲラと笑いながら、
「ハッピーエンドだね~~!!!」
と喜んでいる。


政子はまるでこの残酷物語によって自分の最期の姿を見取ってしまったような気分になってしまい、
「ギャアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーー!!!!!!!!」
と暴れだしてしまった。


「嫌よ!!こんなの嫌よ!!!!ギャアアアアアァァァァァーーーーー!!!!」


「クスクス、クスクス。」
と政子の横で微笑する望美……。


「いやよ!!!
いやぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」



政子にとってもう望美とは切っても切れない所まで来てしまったのでした。

望美を堕胎するという決意は政子にとって、この物語に書かれてある永遠の財産を失うだけでは済まされず、一生、望美の怨念を背負って生きていかなければならない苦しみと、そして、それを片時も忘れることが出来ぬようピタッと張り付けられる呪縛をあじわされるという『宿命』を与えられてしまうということだったのです!


「ギャアアアアアァァァァァァァァァァーーーーー!!!!」







望美カラハ、
モウ逃ゲラレナイ…。





第一部 完
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