望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
あぁ…考えただけで恐ろしい…。


そうよ、最初はただのゲームみたいなものだと思っていたのよ。

だって、現代の科学化されシステム化された社会に生まれた私が得体の知れない魔物を取っ捕まえ退治する。

まるで、平成の女『陰陽師』の様に……。

私は出来過ぎたストーリーに違和感を感じることも無く、『私にならできる!』と優越感に浸っていたんでしょうね…。


けれど、そんな甘い物じゃなかった。

いや、きちんと考えていれば分かりきっていたのかもしれない。


けれどあの時の私はおかしかった。



もしかしたら、あの時既に私はあの女の毒牙に架かってしまっていたのかもしれない。

中枢組織さえもあの女に支配され、暗黒から手招きされていたのだと感じてならないのです。


あぁ……。

いけないわ!!


あんまりあの女の事を考えると、発狂してしまいそうになるの…。

ジワジワと過去がトラッシュバックされて、バチバチと体験したおぞましいシーンが写真のように頭に現われて離れないのよ!!

そして断末魔を感じるの…。


時折あの女の笑い声が聞こえて来て…。

ケラケラと上からあざけ笑うように!!
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