望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
渋谷駅から『109』へ歩きそこから更に10分ほど奥へ進んだ通りの右手ビル、3階に『小松探偵事務所』がある。



事務所内には若い男女のスタッフが5名ほどいる。


そして所長室にはこの事務所の所長・小松ケイ子がいた。



……私はこの事務所の所長でした。


35歳ぐらいであろうか、まだ見た目もかなり若く、黒髪のショートヘアがやり手のキャリアウーマンをかもしだしている。

シックなブラックの夏用レディススーツもビシッとキマっていて、タイトなパンツから足のラインが細く、足も長い事が良く判る。
探偵という職種には似つかないような、なかなかの美人である。


ケイ子はコーヒーを飲みながら、一服中。


時計を気にしながら新聞をひろげている。




間もなく3時をしらせる時計がなると、男性スタッフが一人所長室をノックして入ってきて、
「ケイ子さん、例のお客様です。いらっしゃいましたよ。」
と伝えに来た。


「ありがとう、今行くわ。」
とケイ子は言うと、必要書類をまとめて部屋を出て行き、応接室へと向かっていった。
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