望美
~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
ケイ子が応接室へ入ると黒いソファに座った男が下を向きうつむきながら待っていた。
……私はこのとき、この男の周りから何か得体の知れないオーラのようなものを感じたのです。
「よくお越しくださいました。」
ケイ子は胸をピッと張りうつむく男に向かって第一声をかけた。
その声に男はハッとして顔を上げると、
「あ、すみませんでした。考え事をしていまして…。」
とボソッと呟くよう言った。
「いいんですよ。
始めまして、事務所・所長小松ケイ子と申します。」
とケイ子は自己紹介をすれば、サッと男の前に向かい合う形で座った。
男は自分の名刺でも差し出すのかと思いきやそうでも無く、一言 「お願い致します。」と小さく言うだけだった。
そんな男の姿にケイ子困惑しながらも、
「えっと、確かテレビ番組の特集か何か御覧になられていらしてくださったんですよね?詳しく話を聞かせていただけませんでしょうか?
死んだはずの女の子が生きてるとかなんとか……。」と男に向かって言葉を投げかけた。
実はケイ子には元々強度の霊感があったのだ。
五年前にそれ関連の依頼を引き受けてからというもの、以後依頼や取材が殺到して、
……私はこのとき、この男の周りから何か得体の知れないオーラのようなものを感じたのです。
「よくお越しくださいました。」
ケイ子は胸をピッと張りうつむく男に向かって第一声をかけた。
その声に男はハッとして顔を上げると、
「あ、すみませんでした。考え事をしていまして…。」
とボソッと呟くよう言った。
「いいんですよ。
始めまして、事務所・所長小松ケイ子と申します。」
とケイ子は自己紹介をすれば、サッと男の前に向かい合う形で座った。
男は自分の名刺でも差し出すのかと思いきやそうでも無く、一言 「お願い致します。」と小さく言うだけだった。
そんな男の姿にケイ子困惑しながらも、
「えっと、確かテレビ番組の特集か何か御覧になられていらしてくださったんですよね?詳しく話を聞かせていただけませんでしょうか?
死んだはずの女の子が生きてるとかなんとか……。」と男に向かって言葉を投げかけた。
実はケイ子には元々強度の霊感があったのだ。
五年前にそれ関連の依頼を引き受けてからというもの、以後依頼や取材が殺到して、