望美 ～ママ、離れないわよ。私は絶対に！～

女は昭和初期の元貴族の令嬢のように白いドレス姿である。

とても顔が小さく、大きい瞳。鼻も高く、口元がｷｭｯとひき締まっていてエギゾチックな雰囲気をかもしだし、ﾆｺｯと微笑しているように見える。

髪の毛は黒髪のロングでストレート、それもかなり自然な。


年齢は16～20歳ぐらいであろうか…。


なんとも不思議なことに妖艶でエロティックな成熟した女性だと思えば、そうも受け取れるし、聖女の様に清らかで汚れをしらない処女だと思えばそういう風にも見えてくるどっち着かずの多面性を持っていた。


男性にとっては多いなく魅力的であろう。


ただ、ケイ子はその写真の女にとてつもない嫌悪感を感じたのである。


モナリザの様に微笑している女を何故か妖怪を見るような目で見ていたのである。


そして、その予感は的中した。


男が、
「じ、実は驚かれると思いますが…、この写真に写されている女が私達の赤子だった『望美』なんです…。」
と驚くべきことを言ってきたのだ。


「はぁ！？」

思わず聞き返してしまうケイ子。