望美
~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
しばらくしてケイ子は身の周りの物を片付け始めた。
「あれ?今日ケイ子さんもう上がりですか?珍しいですね~!」
と彰一。
ケイ子は荷物をまとめると、
「えぇ、ちょっと自宅で書き上げなきゃならない書類があるの。」と言い、バックを持って事務所を後にし帰路についた。
ケイ子の自宅
JR恵比寿駅から徒歩10分程度の所にケイ子の住むマンションはある。
5階建の4階で角部屋の401号室だ。
間取りは3LDKで、6畳の寝室に7畳の書斎と12畳もの広いリビングがある。
キッチンテーブル付きだ。
一人暮しにしては十分過ぎるほどで豪華。
男でも家に上げたような形跡もなく閑静な部屋である。
ケイ子は帰ってきてすぐにキッチンでコーヒーを沸かすと、駅で買ってきたドーナツをだしてきて、キッチンテーブルでtea timeにしようと椅子に座った。
しかし、今日引受けた例の依頼の事が気になってバックから書類を持ってきてリラックスした状態で、目を通しておこうと考えた。
バックから例の依頼の書類を取り出し、テーブルへと持って行こうとしたそのとき………、