望美
~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
彰一が戻ってきてからというもの、私は落ち着かなかった。
何故あの写真が落ちていたのか…
「あの女の人綺麗ですよね~」
ふと彰一奇妙なことを言いだした。
「あの女の人って?」
「いや~書類整理をしている最中なんですけどね、すっごい綺麗な貴婦人のような女の写真なんですよ~モノクロなんですけどね」
ケイ子はハッとして鞄のファイリングから写真を出し、彰一の前にさり気なくかざした。
「あ、そうそう!その女ですよ」
……やっぱり。
「ケイ子さん、今度の依頼と関係あるんすか?」
彰一は写真をマジマジと見ながら言う。
「実は捜索なの。この女よ」
ケイ子はポロっと口を滑らせてしまった……
何故であろうこんなに簡単に依頼内容を話すことなんてしないのに。
不思議だった。
まるで誰かに言われたみたいで。
彰一はウキウキしはじめた。
デレデレとだらしない顔つきになっている。
「僕も参加させてください!」
彼は私に冗談混じりに向け敬礼をした。
「遊びじゃないのよ…」