望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
「誰!!??」



政子は、ビックリしてベットから滑り落ちた。
暗闇のせいで男のシルエットしか見えない。


男は政子の存在にきづいたのか、



コツ、コツ、コツ



一歩、また一歩と政子の方へと近づいてくる。



政子は恐ろしくなり、「来ないで!!」
と叫ぶと、その辺にあるものを男に向けてなげまくった。



しかし、男はどんどん近づいてくる。



(何なの!?
真っ暗で全く分からないわ!?)



とりあえず政子は逃げようと寝室のドアに手をかけるが…………。


(開かない!?
どうしてなの!!
開かないわ!!)



「開けてーー!!
助けてーー!!
義昭さん!!
誰かーー!!
助けてーー!!
お願い…。」
とドアを叩き大声で叫ぶが、まったく外からは反応がない……。



さらに近づいてくる男。



次第に月の光に照らされ、その男の姿があらわになってきた……。



(ヒィッ!!)



男は全身黒装束の服を身にまとい、顔にもドス黒い布を被っている。

目の部分に穴が開いてあり、その穴からこっちを覗いている。
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