望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~

数時間後
政子と義昭は寝室にいた。
義昭は政子のお腹にソッと手を添えると、 「何だかこうしてお腹に触れていると、まるで本当のオレと政子の子供のような気がしてならない・・。とても気持ちが安らいで、早く子供の顔が見たくて胸が一杯になって・・・。」と言葉を詰まらせた。

政子は、
「アナタと私の子なのよ・・・。この子はアナタの子になるのよ。」と幸せそうな顔をした。


「ただ…父さんや母さんを騙してしまったことは罪悪感を感じてしまったな・・。すっかり信じちゃって。」と呟いた。

「関係ないわよ。二人で愛情をもって育てていけば嘘も偽りも真になるわ。」と政子は言う。

そして、
「この子は絶対に、化物の子なんかじゃない!私と義昭の子よ!絶対!絶対・・・!」と真剣な、まなざしの政子。

「う・・・・ん。」
と神妙な面持ちの義昭であった。
< 55 / 167 >

この作品をシェア

pagetop